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哲ちゃんの体験談



 哲ちゃんの持病とは? 入院・手術歴 でも書いたように、頭蓋咽頭腫は難しい病気ですし、
 治療も患者の身体には大きな負担がかかります。
 ここでは哲ちゃんの体験したこと、感じたことを書いていきます。

 最初の手術は1993年1月、哲ちゃんが8歳、つまりは小学2年生のときに行われました。
 もうかなり昔なのであまり覚えてないですが、当時は病気のことも手術のこともまだ何も分からなく、
 逆に言えば良い意味で緊張はしていませんでした。
 漠然とした、手術というものへの恐怖はありましたが・・・。
 手術までは、視神経が脳胞の近くにあるので眼科検診や、心電図、CTなどの検査がありました。
 手術の日は手術室にベッドで横になったまま運ばれ、麻酔を吸ったら意識がなくなりました。
 手術後4〜5日の意識はほとんどありません。
 意識回復後の記憶があまりないので、そこまでしんどい術後ではなかったようです。
 ただ、初めてリザーバーに注射された時は相当痛かったのは覚えています。
 リザーバーへの注射は、パック牛乳を飲むとパックはヘコみ、息を吹き込むと膨らむのと同じ原理で、
 注射により脳胞が収縮・膨張することで周りの脳細胞が影響を受けるので痛く感じるのです。

 小学生の間はこの注射に慣れることはありませんでした。
 通院の前日からは憂鬱で、移動の車中はヘコみまくり、注射中は泣き叫びわめいてました。
 それでも中学生になってからは慣れてきて、
 分泌液も無色透明のサラサラした水(腫瘍が吐き出す水はどす黒く、粘度の高いドロドロした水だそうです)だったので、
 担当医の先生でさえも哲ちゃんが頭蓋咽頭腫なのだろうかと疑うこともあったようです。

 ところが、2004年5月頃からリザーバーのある辺りの頭皮から白い液体が出てくるようになりました。
 最初はニキビかなと思っていましたが下宿先で病院を探し診察してもらうと、
 リザーバー内で細菌感染を起こしていることが分かりました。
 実家から3時間かけて両親に迎えに来てもらい、さらに4時間かけて行きつけの病院へ行き入院しました。
 入院して1週間は、細菌が拡散するのを防ぐために1日5回抗生物質の点滴を受けました。
 ただ、脳胞が腫れていたために右目が一旦失明しましたし、38℃以上の高熱にうなされることもありました。
 リザーバー摘出は、頭皮切開後引き抜ける可能性が10%、
 残り90%が引き抜けないと開頭し取り出すという方法で手術を受けましたが、
 幸運にもリザーバーが引き抜けてすぐに手術は終わりました。
 手術前は、自分の身体が切られるという想いから気持ちがとても重かったのを覚えています。
 手術直後、切開した傷の痛みを止める点滴を受けましたが身体に合わず、
 嘔吐を繰り返しとてもしんどい思いをしました。

 2004年8月、右目の視野にまた違和感を感じ頭痛もひどくなりつつあったので、
 入院覚悟でかかりつけの病院に行くとすぐに入院・リザーバー留置の手術が決定しました。
 細菌によって脳胞内の腫瘍細胞が活発になったため、脳胞は6月の手術後より2倍にまで膨張してました。
 前回の手術からそんなに時間が経ってなかったため、このときの手術は入院から3日目に行われました。
 2カ月おきに手術、症状も悪化していたので気持ちの整理はついていなかったものの、
 麻酔を受けてからは手術終了までは痛みを感じないのが分かってたので緊張はしませんでした。
 むしろ術後の方がしんどいんですよね・・・風呂には入れないし、傷口は痛むし、用もマトモにたせないし・・・。
 この手術で、腫瘍や脳胞が他の脳細胞に癒着していることも分かりました。
 そのこと自体は脳細胞などには影響を受けないのですが、何かあっても切除などの治療が出来なくなってしまいました。
 しかしリザーバーもきちんと留置され、無事に退院出来ました。

 2004年10月、通院して3日後からまた視野に違和感を感じ、病院に連絡後入院しました。。
 このときはリザーバーも頭の中にあるので、手術などの大掛かりな治療はなく、
 リザーバーへの注射を最初は2日おき、それ以降は視野の異常や頭痛の様子を見ながら6日おきくらいに注射をしました。
 この入院以降、通院でも特に異常は見つからなかったのですが、
 6月以降のMRI画像などからは腫瘍が若干大きくなっていたようで、担当医の先生がガンマナイフを薦めてくださいました。
 哲ちゃんの腫瘍は良性で全身転移の心配はなかったものの、
 脳胞などが癒着しているし、若い身体は短期間に急成長する(=腫瘍も急成長する)こともあるので、
 腫瘍がこのまま大きくなってしまい手がつけられなくなる前に手を打とうということからでした。

 2005年1月、担当医の先生の推薦で、中四国地方で初めてガンマナイフを導入したという岡山のある病院に入院しました。
 その病院の担当医の先生も非常に優しい先生で、こちらからの質問にも丁寧に答えていただきました。
 頭蓋骨に達するピンでフレームを固定されるという不安、放射線を脳に当てるという恐怖が頭の中を支配していましたが、
 哲ちゃんのそんな不安や心配をよそに治療はサクサクと進み、
 ガンマナイフによる治療は16分、フレームをつけてからだと6時間くらいで終わってしまいました。
 その後はもとの病院に戻り経過観察で入院しましたが、
 ピン付近からの皮下内出血で顔がパンパンに腫れるという以外には異常が表れませんでした。

 2005年3月にガンマナイフ後、初めてとなる通院がありましたがMRI画像からもリザーバーへの注射からも、
 経過が良好であるということが分かりました。次回通院は2006年8月ですが、ようやく今までのような生活が送れそうです。
 2005年4月には大学にも復帰しもう1度、2年の勉強に、バイトにと精を出しました。


 とても長くなりましたが、以上が哲ちゃんの体験談です。
 分かりにくい文章が多かったと思いますが少しでも理解して頂けたでしょうか?
 振り返れば、入院や手術だけでなく退院後でも経過が悪い日は頭痛に悩まされたりするなどの、
 ここには書ききれないほどの出来事もありした。
 これから頭蓋咽頭腫を治療を受けるけど不安な方、哲ちゃんと同じように治療中という方が、
 これを読んで頂くことによりこれからの治療などの参考に少しでもなれば幸いです。
 辛いことが多いとは思いますが、乗り越えれば良いことは必ずあります。
 痛みに負けて将来を悲観することさえもあるとは思いますが、一緒に頑張っていきましょう!





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