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哲ちゃんの持病とは?



 哲ちゃんの持病とは、「頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ)」という病気です。簡単に言えば、脳腫瘍です。
 この名前を聞いてピンと来る方はそうはおられないと思います。
 この病気にかかる割合は、宝くじで3億円を当てるよりも低い確率と言われており、
 ほとんど認知されていない病気だからです。
 先天的なものと考えられていますが、医療技術の発展した現在でもこの病気になる原因は解明されていません。

 人間は生まれたとき、脳内の「脳下垂体(ホルモン分泌をつかさどる細胞)」、「視神経(視覚をつかさどる細胞)」付近に
 「脳胞」と呼ばれる袋状の器官があります。
 位置としては、両目のあたりを横方向に輪切りにしたときのその断面のほぼ中心です。
 この器官は発達段階で普通は自然消滅するものですが、頭蓋咽頭腫は脳胞の内部に腫瘍細胞が存在し、
 腫瘍細胞が水を吐き出すことにより脳胞を膨張させ脳下垂体や視神経を圧迫するという病気です。
 放置するとホルモン分泌の異常、視野狭窄または失明といった障害を負わなければいけません。
 ただし、多くの頭蓋咽頭腫は良性腫瘍で、全身に転移することはありません。

 この病気は男児に多く、6〜12歳くらいに頭痛などの自覚症状が出ることが多いようです。
 哲ちゃんは8歳の冬にひどい頭痛という自覚症状が出ました。頭痛は脳胞が膨張し脳を圧迫していたためでした。

 頭蓋咽頭腫の治療法としては、
 @ 開頭し脳胞ごと摘出。
 A 開頭し脳胞から頭皮下までリザーバー(いわゆるバイパスのようなもの)を留置。
 B ガンマナイフの後に開頭し脳胞の中の水を出す、またはリザーバーを留置。
 C 脳胞の膨張がひどくなければガンマナイフのみ。
 といったものが現在は一般的なようです。
 哲ちゃんが最初に手術を受けたのはもう12年も前の話で、
 その頃はまだ医療技術が未発達なために一番安全なAの手術を受けました。
 ちなみにガンマナイフとは、細胞を壊死させるγ線を微量にし、様々な方向から病巣を狙って照射し、
 病巣を壊死させるという治療法です。詳しい説明は日本ガンマナイフサポート協会ヘどうぞ。

 @の欠点は、前述のように脳下垂体や視神経が傍にあるので
 このような手荒な手術だとそれらの器官が傷付き、一生影響を受けることになります。
 また、尿崩症(?)にはほぼ確実になるそうです。

 Aの欠点は、リザーバーという人造物を体内に入れないといけないということです。
 哲ちゃんはそうなりましたが、何らかの原因によりリザーバーの中に細菌が侵入して脳内感染を起こした場合は、
 リザーバー摘出の再手術、リザーバー再留置の再々手術を受ける必要も出てきます
 (担当の先生は、哲ちゃんみたいに感染を起こした患者は初めてだったみたいで、こうなるのは非常に稀だそうですが)
 また、腫瘍と共存しなくてはならないので、半年に1回程度の通院をし、
 頭に注射をして水を抜き抗ガン剤を投与しないといけません。
 この注射は、慣れるまでは相当な苦痛です。

 B・Cの欠点は、ガンマナイフを受ける際に
 「フレーム」と呼ばれる金属のものさしのようなものをピンで頭蓋骨に固定しなければならないことです。
 これもかなり苦痛ですし、フレームをつけるという恐怖心で精神的に参ります。
 また、γ線とはそもそも放射線なので、腫瘍細胞を壊死させると同時に他の器官が影響を受けないとも断言できません。

 しかし、@〜Cの手術を受けて何の障害も出なければ、
 頭蓋咽頭腫の患者は一般の方と同じように普通の生活を送ることができます。
 彼らには行動制限などといったものも特にはありません。
 もし皆さんの周りにそういう方が居ても、偏見などの目で見ないでください。
 彼らは苦しい治療に耐えて、耐えて、生きているのです。これ以上苦しい想いをさせてあげないでください。

 また、行政によりけりですが頭蓋咽頭腫は「特定小児慢性疾患」に指定されている場合もあります。
 もし頭蓋咽頭腫と認定されれば、頭蓋咽頭腫に関わる治療費は一部免除、または全額免除となる場合があります。
 ただし、治療の過程などは行政に渡り、今後の頭蓋咽頭腫の治療への参考になっていきます
 (言い方を悪くすれば実験モルモットです)

 長ったらしい文章になりましたが、哲ちゃんの病気、頭蓋咽頭腫についてちょっとでも分かっていただけたでしょうか?
 興味のある方は入院・手術歴哲ちゃんの体験談へもアクセスしてみてください。





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